固定金利と変動金利の違いはなに?金利の基本とメリット・デメリット

cadenceギターのモリです。

以前、「バンドマンが買える家はいくら!?バンド活動費は!?ざっくり試算してみた!」と題してバンド活動をしながら住宅ローンを返済するシミュレーションをしてみましたが、その第二弾として金利を考えてみたいと思います(前回の住宅ローンブログを未読の方はこちら)。

この時に出てきた「変動金利」という言葉。聞いたことはあると思いますが、詳しく理解している方は少ないんじゃないかと思います。

「友達は変動金利でローンを組んだ」とか「親は固定金利だった」というような緩い理由で自分の金利プランを決めると、思わぬ落とし穴にはまるかもしれません。

そこで、実際に住宅ローンを組んだ私がその経験に基づいて金利について解説してみたいと思います。

(私は自分の住宅ローンを組んだだけの素人ですので、皆様が実際に住宅ローンを組む場合は必ずファイナンシャルプランナー等の専門家に相談しましょう。)

金利とは

住宅ローンを組む上で「固定金利型か変動金利型か選択頂けます」なんてことを各金融機関から説明されますが、私は「そもそも金利って厳密になんだっけ?」という状態でした。

なので、まずは金利とは何かという点について記載します。優秀な皆さんでしたら不要かもしれませんが念のためです!

住宅は数千万円します。真面目に働きさえすれば将来的に払える金額かもしれませんが、住宅の購入時点で用意できる方は少ないと思います。

ただ、至極当たり前のことですが、売主と買主の売買契約はモノとカネの交換で成り立ちます。コンビニで買い物する時もモノとカネの交換を売買契約時点で実行していますが、金額の規模が圧倒的に大きい住宅購入においても、その基本的ルールは変わりません。

つまり、前述の通りほとんどの人は住宅を購入できるほどの大金を手元に持っていませんから、普通は住宅を購入できません。

そこで、お金を沢山持っている人・組織からお金を借りて支払います。このように、住宅を購入するためにお金を借り入れることが「住宅ローン」です。

お金を借りると債務者(お金を借りた人)は債権者(お金を貸した人)に「売買契約時点で大金を用意してくれたお礼」を報酬として支払います。これが利息です。

借り入れしたお金(元金)を返済する際に利息を上乗せして支払います。この利息の金額は金利によって決まります。金利は普通割合(%)で表記されますが、元金と金利を掛け算して利息を求めます。つまり、住宅ローンは「元金+利息=総支払額」というように計算できるのです。

つまり、金利とは「お金を貸してくれたことに対して報酬として支払う利息を決める割合」のことを指します。金利の意味がやっとスッキリしました。

楽器のローンだと住宅に比べて額が低いですし、「20回払いまで利息なし!」みたいなキャンペーンを常にやってますから、金利のことを気にせずローンを組んでしまうことも多いと思います。

しかし、住宅ローンにおいては自分が支払う総額に直接影響するわけですから、慎重に選択したいところです。

金利は一般的にその時々の金融情勢に影響を受けて変動していきます。

今ローンを払い終えて老後の生活にシフトしだしている我々の親世代は、現在と比較すると非常に高い金利で住宅ローンを組んだのではないかと思います。

現在は歴史的に見ても「超」が付くほど低金利な時代ですので、親世代が「今は金利が低くて、お前たちはいいなぁ」なんてことを言うのも頷けます。

 

固定金利と変動金利

さて、いよいよ固定金利型と変動金利型についてです。

前項を読んでくださった方ならばお気づきかと思いますが、金融機関の「固定金利型か変動金利型か選択頂けます」という言葉はつまり「利息の決まり方について二つの内どちらか一方を選択して良いですよ」という意味なんですね。

この二択に回答するには、金利が固定か変動かの違いで何が変わるのかという点を理解するのが重要です。

固定金利型

固定金利型は、ローンを借りた最初の返済からすべての返済が終わるまで金利がずっと変わらない金利タイプの事を指します。金利は融資実行時点の世の中の標準的な金利に基づいて決まります。

つまり、その時々の金融情勢に影響されず、ローン契約時に決まった金利が最後まで適用され続けるのが固定金利型です。

金利が固定される期間は借入する金融機関の商品ラインナップによりますが、大体は全期間固定、15年固定、10年固定、5年固定等から選ぶことができます。(全期間固定型とその他の金利プランは別物と考えた方が良いかもしれません。こちらは後日詳しく記事にしたいと思います。)

固定金利型は、金融情勢により世の中の金利が上がっても、自分のローンに適用される金利は上がらない為、月々の支払額が一定で安定することが利点です。

その一方で世の中の標準的な金利が下がっても、その恩恵を受けられません。また、固定金利型は契約月の変動金利型に比べると、金利が高めに設定されています。

つまり、金融情勢が安定しており標準的な金利が返済期間中ずっと一定だった場合は、変動金利型より固定金利型の方がより多くの利息を支払うことになります。

メリット・デメリットをまとめるとこんな感じ。

固定金利型のメリット

  • 金利が一定であり安定する
  • 返済額が変わらず他のマネープランが立てやすい

固定金利型のデメリット

  • 変動金利に比べると金利が高い(総支払額が高くなる)

変動金利型

変動金利型は、ローン返済期間中の金融情勢に合わせて、ローンの金利が見直されていく金利タイプです。変動金利型の金利は年2回、返済額は5年に1回見直されます。

変動金利型の金利は固定金利型の金利と比べるととても低く、さらに低金利であればあるほどその恩恵を強く受けることができる、つまり固定金利型より総支払額を抑えることができることがメリットです。

反対に金融情勢が変化すると、自分のローンに高い金利が適用されてしまう可能性があります。これによって、月々の支払がローン契約当初より苦しくなり、結果として総支払額がローン契約時の見込みより高くなってしまう可能性があります。

また、将来的な返済額が確定しない為、その他のマネープランが立て辛いです。(変動金利は金利や返済額の見直しについて、元利均等返済の場合「5年ルール」や「1.25倍ルール」と呼ばれる法則が適用されることが多いです。これらについても別のブログで解説したいと思います。)

メリット・デメリットをまとめるとこんな感じ。

変動金利型のメリット

  • 目先の金利が固定金利型に比べると低い
  • 金融情勢が安定し低金利が続けば総支払額を抑えられる

変動金利型のデメリット

  • 金利上昇に伴って支払いが苦しくなる可能性がある

 

固定と変動、自分が選ぶべき金利タイプとは

前述の通り、固定金利型は目先の金利は高いものの、返済額が安定しておりリスクが少ない金利プランです。

変動金利型は金利上昇のリスクは高いものの、目先の金利が低く金融情勢が安定すれば恩恵を受け続けられる金融プランです。

どちらも一長一短がありますが、金利上昇のリスクとどのように付き合うのが自分にマッチしているか考えることが重要です。

私の考える固定金利型を選ぶと良い人、変動金利型を選ぶと良い人は下記の通りです。参考までにどうぞ。

固定金利型を選ぶと良い人

  • 返済期間が長い人
  • 借入額が多い人
  • 貯金額が少ない人(金利上昇があった時、残高を一括支払いできないため)

変動金利型を選ぶと良い人

  • 返済期間が短い人
  • 借入額が少ない人
  • 貯金額が多い人(金利上昇があった時、残高を一括支払いできるため)

 

最後に

ローンを2本に分けて両方の金利プランを自分のマネープランに合わせたバランスでミックスすることによって、両方のメリット・デメリットを補いあうようなローン契約にすることも考慮すべきかと思います。

金利タイプの選択は自分に合ったものを選ぶ必要があると私は考えますが、自分に合っているかどうかは当の本人しか分かりません。いろんな人に聞き、本を読み、最終的に自分で決める必要があります。

このブログも自分の経験を記載することで、誰かの一つの参考になれば幸いです。

金利についてはまだまだ語り切れていない内容もたくさんありますし、私がどうやってローンを決めたかの具体的な内容についても書ききれなかったので、引き続きローン関係のブログも書こうと思います。

さて、ペンシルバニアのバンドSnowingの曲の中で、私が一番好きな「Scherbatsky」という曲があります。

彼らはこの曲の中で「一日中一人でベッドに座りこみ、仕事をせずにローンを返済する方法を考えている」と歌っています。

彼らの言う通り、バンドマンたるもの働かずしてローンを返し切る方法を見つけ出したいものです。Bandcampからフリーダウンロードもできるので、未聴の方は是非。

この曲はサウンド面だけでなく、歌詞においても本当に名曲だと思うのです。