登記費用を抑えよう その1 登記申請の概要

cadenceギターのモリです。

少し前に北軽井沢を家族で旅行しました。

その旅行中、同行者に甥姪が沢山おったので、軽井沢おもちゃ王国というテーマパークに行ってきました。

軽井沢おもちゃ王国はその名の通りおもちゃをテーマにした施設で、子供たちがそこかしこでおもちゃで遊び回っており、大人たちはその姿を見て楽しむという在り方の構図が完璧に出来上がっています。ネットのレビュー評価も異常に高いという、なんともハートフルな場所なのです。

しかし、あんな風に沢山の子供が遊びまわって混雑していると、ピノキオのプレジャーアイランドが思い起こされて気味が悪い。

ご存知だろうか。子どもたちのトラウマ製造機、プレジャーアイランド。

悪者の大人に「好きなことを好きなだけやって良い」と騙されてプレジャーアイランドに集められた子供たちは、何をやっても許される環境に置かれ、自制心がなくなりやりたい放題。最後は変な(酒とタバコ風な)薬を口にしてしまい、ロバにされて家畜として売られていくのです。

友達がロバになっていくシーンとか超怖い。手遅れ感凄いあって超怖い。言葉が話せなくなっていく感じとか超怖い。悪者の大人たちがロバになった子供たちを出荷するシーンとか鬼怖い。

学校にも行かず悪い事ばかりしているとこうなるぞ!という教訓的シーンなのですが、それより映像のおどろおどろしさが勝るトラウマシーンです。

ロバになるっていうのも、よく分からないし。日本で言う「食べてすぐ寝ると豚になるぞ」的なやつだと思うのですが、文化の違いなのか直感的には伝わりにくいですよね。

得てして、大人の方がそうやって悪いことを考えますし、利益の為なら相手が無知な子供だろうと平気で(寧ろ進んで)カモにするものです。

※軽井沢おもちゃ王国の無秩序感はそんなトラウマがフラッシュバックするかもしれませんが、子どもたちは知らぬ存ぜぬお構いなしに楽しんでいて、とっても良いところです。軽二郎というインスパイア系ラーメンも召し上がれますし、もしかしたら、そんなトラウマの克服のキッカケになるかもしれません。北軽井沢に旅行の際は是非立ち寄ってみてください。

前置きが長くなりましたが今回のブログは、「業界の大人たち」に抗ってマイホームの登記を自分でやった結果、ほんの少しだけ節約できた話です。マイホームを購入すると付いて回る「登記申請」について、どうしたら自分でできるのか、どうしてちょっとだけの節約にとどまったのか、自分の体験談を4回に分けて紹介しようと思います。

登記申請を自分でやってみよう

家を購入する際に不動産関係者から貰う見積をよく見ると、登記費用というもが含まれていると思います。これが何だか良く分からない費用のくせにすげー高い。土地の登記で大体こんな感じ。

土地登記見積1

私の場合、土地購入時に48.3万円、家購入時に上記の画像とは別に18.3万円かかると見積もられていました。

土地や住宅の購入額が1000万円オーバーなので66.6万円は小さく見えますが、冷静に考えればかなり痛い出費です。外構工事のカーポートの相場が50円~100万円らしいですから、66.6万円あれば庶民的な駐車場は作れるわけです。そんな大金ですから「何に払っているか分からないけど言われた通りに払う」状態で話を進めるのは良くないと言えるのではないでしょうか。

土地を購入した際は勉強不足だったこともあり、幾つか相見積をとって、最初頂いた見積より0.6万円安い47.7万円で同じ作業を請け負ってくれる事務所に依頼しました。総額からすると微々たるものですが、0.6万円も家庭にとっては大事な削減です。

ただ、相見積もりと値下げ交渉だけでは限界があり、家の購入時には「不動産業界は人件費がとにかく高い」ということを痛感させれれていたため、自分でやれる申請は自分でやろうというDIY精神で18.3万円をなんとか抑えようと奮闘してみました。

バンドやっている方であれば、スタジオ代を捻出するのも大変だと思います。こういうところで、余計な費用を抑えて、浮いたお金でエフェクターでも買いたいじゃないですか!そういう訳で、長いですがブログに書いておこうと思います。

私は専門家ではないので、ここから先は話半分に読んで頂ければ良いと思います。あくまで私の体験談で、こうすれば良いという事では全くないです。また、条例などの改正があって、ここに記載している内容が正しくなくなる可能性もありますので、その点はご了承下さい。

 

登記とは何か

まず、登記とは何かというと、法務局に「この土地、建物の持ち主は私です」と届けて帳簿(登記簿)に記載してもらうことによって、第三者がその土地の所有権を主張しても法的に反論できるようにするための手続きです。

つまり、誰かが嘘をついて「この土地建物は俺のもんだー!」と騒いだ時に、ちゃんと「異議あり!!」出来るようにする為の申請です。(この事を後述の専門家達は「攻撃力を持つ」と表現してました。彼らにとってはメラゾーマ的なノリだろうか?)

自分が不動産を購入する際は、登記簿を見れば「本当にこの不動産は売主が所有者なのだろうか?」という事が確認できます。

何やら難しそうですね。こういう「難しそう」という一般人の感覚は、専門家にとっては良い商売になるもので、この登記申請においても専門家が存在します。それが司法書士と土地家屋調査士です。

一般に家を購入した際に必要になる登記申請は、全て司法書士と土地家屋調査士に依頼します。もうほぼ確定です。自分でやろうなんて人はまず居ません。

この業界、価格競争がほとんど起きないようで、登記申請にかかる手間と対価として支払う価格が一致していないなぁ、と私は正直感じました。(あくまで私個人の感想です。自分がIT業界に長く居るせいで、人件費の感覚が狂ってるだけかもしれません。)

見積根拠を聞きながら不明点を指摘しつつ値下げ交渉をしていると、どこの事務所の担当者も「相場と変わりありませんよ、むしろ同じ地域の価格よりは安いくらいですから」なんて返答が返ってきました。

費用面だってサービス満足度における重要な要素ですから、もう少し親身になって欲しかったなと感じてしまいました。

価格が適正か判断するには、消費者側がしっかり「このサービスはどんな事をやっているか」理解する必要があると思います。なので、この業界が談合みたいな状態から少しでも適正な価格になるように、私が自分なりに理解した登記の全てをここに書いておこうと思うのです。

 

どんな登記が必要になるか

私が購入したのは注文住宅ですので、これ以降の話は下記の通り取引したことが前提です。

  1. 春に土地を土地の売主から購入
  2. 春から夏にかけて工務店に購入した土地に家を建ててもらい、初秋に新築を購入

上記の前提の下、実際に私が必要になった登記は下記の通りです。

1.土地の購入時

【土地の所有権移転登記】
→土地の所有者から所有権を自分に移す登記で、司法書士に依頼します。見積根拠は土地購入時の金額らしいです。

【土地の抵当権設定登記】
→自分の住宅ローンの担保にする為の登記で、司法書士に依頼します。見積根拠はローンの金額らしいです。

2.家の購入時

【土地の所有者住所変更登記】
→土地購入時の住所から購入した土地へ住所を変更する登記で、司法書士に依頼します。登記内容に違いがあると、いずれ行う抵当権抹消登記の際に面倒なので、このタイミングで新しい住所に変更しておきます。

【建物の表示登記】
→新しく建物の帳簿を作成してもらう登記です。
登記簿は表題部と権利部の二つに分かれており、表題部に不動産の基礎的な情報が、権利部にその不動産に係る人物の情報が記載されます。
土地の場合、既に存在している土地を他人から購入している為、登記簿上、表題部は存在しており、権利部のみ書き換える登記申請のみ必要でした。
対して建物の場合は新築している為、購入時点で登記簿上にこの建物の表題部さえ存在していません。そこで、新しく表題部から登記簿を作成してもらう為の申請です。
なお、申請に専用の縮尺による図面等が必要になる為、この申請のみ土地家屋調査士が行います。司法書士はやってくれません。

【建物の所有権保存登記】
→空の帳簿の権利部に自分を情報を記載する登記で、司法書士に依頼します。土地の場合は売主が権利部に記載されており、その内容を上書きする所有権移転登記が必要でしたが、上記の通り新築住宅の場合は新しく登記簿を作成する為、申請内容が少し違います。

【建物の抵当権設定登記】
→自分の住宅ローンの担保にする為の登記で、司法書士に依頼します。これは土地の時と変わりません。

このように一言に登記と言っても、一つではありません。土地と建物で差異もあります。

 

登記の申請に必要なもの

登記は全て書類での申請です。必要な書類が揃えば誰でも申請できます。実は、特段専門性の高い作業ではないという事です。

それぞれの登記に必要な書類は違いますが、法務局のホームページで確認することができます。また、それぞれの申請書に関する記入例もダウンロード可能です。

法務局(外部リンク:http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html)

住所変更登記であれば、該当の記入済み申請書と住民票で申請できます。(申請の受領証を受け取りたい場合は申請書を同内容で2枚書きますが、申請自体は1枚で可能です。)

提出書類の用意手間で言えば、免許更新する程度の手間で登記申請は出来るのです。

確かに所有権保存登記等になると必要な書類は増えますが、揃えば後は出すだけで特別な処理は必要ありません。

しかも、書類の書き方が分からない時は、法務局の相談窓口を予約して教えてもらいに行きます。すごく丁寧に、手取り足取り教えてくれます。

なお、代理人が申請する場合は、委任状と印鑑証明書が必要です。裏を返せば、それくらいしか書類は増えません。つまり、司法書士や土地家屋調査士が提出する書類の数(=”手間”)は「ローンの金額」や「土地の金額」に関わらず一定だという事です。

前項で、司法書士と土地家屋調査士から「ローンの金額」や「土地の金額」が作業費用の見積根拠だと言われたと記載しましたが、本当は彼らの作業量はこれらによって増えはしないのです。(建物の表示登記だけはちょっと大変だけれど)

表向きには彼らは見積根拠と主張しておりますが、結局「業界の相場だから」というだけなんだと思います。ここが私が感じた違和感です。

 

最後に

何となく登記と言うものが、得体の知れないものではなくて自分で出来る申請だと言うことがご理解頂けましたでしょうか。

自分の不動産について登記する事は免許等は入りません。

私の個人的な感想ですが、登記の代理申請が69万円というのは高過ぎると思うのですよね。本当に閉ざされた業界って感じで、依頼した司法書士も土地家屋調査士も全く信じられませんでした。

次回はもう少し具体的に、どういうところで費用を削ったかご紹介する予定です。

 

この記事の続き

登記費用を抑えよう その2 代理申請依頼の時期と流れを把握する