登記費用を抑えよう その2 代理申請依頼の時期と流れを把握する

cadenceギターの森です。

先日当サイトのトップページを修正しました。

最近の投稿が表示されます。これでメニューから各カテゴリーのインデックスページを開かずに投稿がご覧頂けるようになりました。

この改修、当サイト立ち上げの早い段階でやろうと思っていたのですが、なんだかんだ忙しくなりまとまった時間が取れなかったので断念していました。

「即位礼正殿の儀の行われる日」が祝日になったおかげでやっと改修を決行できました。お休み頂いて、ありがとうございました。

改修作業中、NEXT LIVE的な表示欄も作ろうかと思ったのですが、現在時刻と開催日を比較して未来日で一番直近のものを表示する制御と、ライブが無い時に表示領域を消すか別のメッセージを表示する制御が必要になり「面倒くさ!」と思い、ノータイムで止めました。

投稿に投稿日以外の日付項目作らないと行けないし。また突発的に時間が取れた時に考えようかと思います。

登記申請とは

前回のブログで登記申請の概要についてご紹介しましたが、今回はその続きです。

前回同様の注意点ですが、私は司法関連の専門家ではありませんので、ご了承の上ご覧ください。

登記申請とは、簡単に言えば特定の不動産の所有権を第三者に主張できる権利を得るための申請です。

私が登記申請費用の減額のために、登記について調べ出したきっかけ等は前回のブログに記載しています。前回のブログをご覧になってない方は、そちらを先にご確認頂くと良いと思います。

登記費用を抑えよう その1 登記申請の概要

さて、今回は、登記申請費用の見積で注視すべき点について記載します。

 

見積書はどうやって貰う?

それではまず見積書の詳細を見ていく前に、登記申請の見積を受け取るまでの流れをご紹介します。

まず、司法書士へどうやって見積依頼をするかと言う点ですが、私の場合は下記の選択肢がありました。

  1. 自分が依頼した不動産仲介業者のお抱え司法書士を紹介してもらう
  2. 不動産の売主のお抱え司法書士を紹介してもらう
  3. 不動産の売主が依頼した不動産仲介業者のお抱え司法書士を紹介してもらう
  4. ローン融資をしてもらう金融機関のお抱え司法書士を紹介してもらう
  5. 自分で探す

各不動産関係者はお抱え司法書士事務所があり、基本的にはその事務所に依頼するよう薦められる構図になっていました。

私の場合は、各関係者から強要されることはなく、あくまで選択肢の一つとして提示してくれました。

少し話が逸れますが、依頼先の不動産関係者によってはお抱え司法書士じゃないとダメと言われることもあるようです。

というのも、家の購入時の話ですが、工務店の担当者に「司法書士については、不動産仲介業者さんがお抱えの司法書士じゃないとダメだと言うかもしれないので、不動産仲介業者さんへ確認してください」と言われ、不動産仲介業者の担当者へ確認したところ「司法書士については、工務店さんがお抱えの司法書士じゃないとダメだというかもしれないので、工務店さんへ確認してください」とたらい回しに遭ったのです。

業界の方からこのような発言があるということは、「お抱え司法書士の強要」は往々にしてある話なんだな、と思います。

フロントに立つ不動産関係者(つまり、不動産仲介業者や工務店)経由でお抱え司法書士の見積を依頼すると、不動産仲介業者であれば仲介料の見積書に、工務店であれば建築料の見積書に、登記申請費用の総額だけ記載されている場合があります。

この状態だと登記申請費用の中にどんな作業費や雑費が含まれているか判断できません。

ですから、必ず「登記費用の見積詳細を下さい」と依頼して、司法書士が作成した見積書を入手しましょう。

 

見積を貰う時期

さて、次は見積を貰うタイミングのお話です。

私の場合、初めて見積を貰ったのは不動産の売主と売買契約を結んだ直後でした。

不動産の購入は、売主と下記のようなやり取り経て引き渡されます。

①購入申込→②不動産売買契約→③決済

(①〜②:一週間程度、②〜③:一ヶ月程度)

建売物件や土地の購入時で、購入の申し込みから決済までの期間が短いと、この限りではないかもしれません。

※あくまで売主とに限定した大まかな流れです。その間に金融機関とローン審査や金消契約をしたりと、この時期は大忙しです。

見積依頼が不動産売買契約の直後になる理由は、不動産売買契約を交わした後に登記申請を司法書士へ依頼するために必要な情報が、不動産の売主から提供されるからです。

登記申請時に登録免許税を納める必要がありますが、既存の不動産(つまり、土地や建売物件)の場合は、当該物件の不動産評価額に基づいて登録免許税が算出されます。

司法書士にとっては、登記申請を請け負う以上、登録免許税は避けられない必要経費です。従って、不動産評価額が分からなかければ、概算見積にしかならないのです。

売主は不動産評価額を隠している訳ではありませんが、不動産評価額を気にしながら土地や家を探す買主は少ないと思います。普通、優先される購入条件は立地などでしょう。

ですから、依頼人が購入する不動産の評価額を司法書士に伝える事ができるようになる、不動産売買の直後に見積を取得する話が挙がります

 

依頼先を決める時期

続いて、実際に依頼する司法書士を決めるタイミングです。

私の場合、依頼先の司法書士事務所を決め司法書士と契約したのは、不動産決済の2週間程前でした

司法書士との契約が不動産決済の2週間前になる理由は、登記申請をするのに必要な書類を揃える猶予期間を設けるためです。

登記申請は、引き渡しを受けたその日中に申請を完了させる必要があります。特に金融機関からローンを組んでいる場合、金融機関はローンの担保としてすぐに債務者所有の不動産に抵当権設定をしたいため、必ず引き渡しを受けた日中に申請するように言われます。

よって、決済の日にはちゃんと登記申請が受理される必要があり、「書類不備があったので後日出します」みたいな事が無いようにするため、2週間の猶予を設けるのが一般的なようです。

前回ブログで触れたように、登記申請は複雑な申請ではありませんので、書類を揃える事自体も難しくありません。揃える書類は、せいぜい住民票や印鑑証明、司法書士から渡される代理人申請書等です。

1.5週〜1週前でも代理申請に必要な書類は揃えられると思います。

ただ、依頼の仕方よっては、郵送で書類を提出する必要があるかもしれないので、1.5週〜1週間前ではかなりタイトなスケジュールになってしまいます。

また、司法書士も他の依頼人からの業務がありますから、その兼ね合いでギリギリ過ぎるスケジュールは断られてしまうかもしれません。

従って、不動産決済の2週間前には司法書士と契約することになるでしょう。

さて、不動産の引き渡しを受ける1ヶ月程度前に不動産関係者から「登記申請はどうしましょうか?」とアナウンスがあると思いますが、上記の通り、そこから司法書士と契約するまで猶予は2週間です

 

相見積の重要性

登記申請費用は必要な費用と言えど、決して安いものではありません。ですから、少しでも安い司法書士に依頼したいところです。

とはいえ前回ブログでご紹介した通り、価格競争が起こりにくい業界ですから、真っ向から「安くして!」と伝えても、値引きに応じてくれる司法書士は少ないでしょう。

そこで、複数の司法書士から見積を取ることが大切です。

まずは、不動産関係者全員に「お付き合いのある司法書士に登記費用お願いしたら、いくらになりますか?」と伝えて、見積を集めましょう。

それと同時に、決済をする予定の場所の近くに事務所を構える司法書士事務所にも連絡するのがベストだと思います。

自分で司法書士事務所を探す場合、大体の事務所は電話での事前予約と事務所での打ち合わせが必要でした。

不動産の売買契約から決済まで、本当に忙しいので中々手が出せないと思います。ただ、選択できる見積の幅が広がりますし、自分で探す方が減額の可能性も高まると思います。

そして、揃った見積の中から一番安い司法書士を選べば出費を抑える事ができます。

司法書士にとっても、一度見積もった依頼が無くなってしまえば、見込まれていた利益が一気に0になってしまいます。

家電量販店の値下げ合戦のようですが、手元に集まった見積を交渉材料にして、「この司法書士はもう少し安かったですよ」と伝えてみると良いと思います。

「じゃあ、そちらへ依頼してください」という司法書士が多いですが、値下げに応じてくださる司法書士も確かにいます。(値下げのことを「今回はお勉強させていただきます」と表現していましたが、国家資格必須業界の言い回しなんでしょうか…)

 

私の経験談

実は私の場合、この時期のスケジュールや司法書士の選定方法について勉強不足でした。

各不動産関係者経由でお抱え司法書士に見積依頼をするのと同時に、自分で探した司法書士事務所へ連絡したまでは良かったのですが、ローンの手続きなどの忙しさで首が回らなくなった中、「本当に安くなるのか?」「早くしないと決済までに間に合わないと急かされているが本当か?」というように、誰が真実を話しているのか分からなくなりました。

そこで、「事務所に行って打ち合わせたり、必要書類を整える手間代だ」と考えて、自分で探した司法書士事務所に依頼することは諦めて、高い見積を承知で不動産関係者経由で3つ見積をとりました。

それでも見積は、最高値と最安値で5,000円違いがあったのです。

マイホームにかかる費用に比べると、微々たるものかも知れませんが、スタジオ代2回分くらいになると考えると馬鹿にできません。

前述の通り、不動産関係者皆んなに声をかけるだけであれば、手間を掛けずに費用を抑える事ができます。やっぱり相見積を取るのは大事ですね。

今思うと、自分で探した司法書士から電話口で概算見積の聞いており、「不動産関係者経由で依頼するより安くなりそうなので、資料を揃えて事務所に来て欲しい」という話をしていただけに、勿体なかったなと思っています。(「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というやつです。)

私のように後悔しないように計画的に見積依頼をしましょう。勝負は2週間。この猶予の間に相見積は必ず取りましょう。

 

最後に

たった2週間で登記申請の事を理解し、どの見積が適正価格であるか判断するのはかなり難しいと思いませんか?

一生の内にほとんどの人が、何度も経験する事ではありませんので、事前に調べて理解を深めておくと良いと思います。

さて、司法書士へ依頼するタイミングはご理解いただけたかと思います。

登記申請を抑えるための次の作業は、司法書士見積をよく読む事です。

私の経験ですが、不要な作業や雑費が見積に含まれていた事がありました。司法書士の見積に記載されている事項が、自分の要件に対して過大な作業量でないか見極める必要があります。

どんな事項が記載されて、何が不要な可能性があるか。次回のブログで、そんなつっこみポイントを、私の経験からお伝えしたいと思います。

バンドをやってる方なら、見積合せや見積に対する指摘で、スタジオ代くらいは取り返したいですね!

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