BACK TO THE FUTUREをキッカケにタイムトラベル系SF映画を考える

cadenceギターのモリです。

最近仕事が忙しく、息子が起きている時間に帰れないので本当に悲しい。

仕事のせいにしてはいけないかもしれませんが、会社で一番スパーキングしている事業の世紀末リーダー的存在に抜擢されてしまったので、仕事のゴールが全く見えない状態です。絵に描いたようなデスマーチ。マイケミもビックリの大行進。


(あれ?こんな曲だったっけな?)

白髪もどんどん増えていきます。寝不足で凄い体重いし、やっぱり20代と30代は違うと実感。年取った。

ここの所、なかなか土日も家にいることができず、息子の離乳食が始まっているはずなのに殆ど立ち会えたことないです。

抱っこも1週間くらいしてないかもなぁ。奥さんには苦労をかけて申し訳ない。

こんなに家庭ほったらかしにしたら怒られてもしかたない。そのくらい何もやれてないです。

そして何より、息子の今は「今」しかないのに、その貴重な今を仕事で棒に振ってるって、悲しすぎます。もう二度と取り返せないから。

会社に所属しないと稼げない、自らの能力の無さと努力不足を恨むしかないです。

おじいちゃんおばあちゃんが孫を可愛がる理由もすごくよく分かります。

親って子供を愛でてるだけじゃ生きていけないからね。その点、おじいちゃんおばあちゃんになると思いっきり可愛がれるんだろうなぁ。

我々親世代としては、そうやって可愛がって子どもを見ててくれるとすごく助かるし。

どんなに願っても自分が息子と過ごす時間を取り返す事はできないですから、時間を遡れたら良いのにと本当に思います。

それ以外のターニングポイントにも干渉して、歴史を改版しまくってしまいそうですが…。

理由はさておき、恐らく誰もが一度は考える「タイムトラベル」。これをテーマにした映画や小説は、かなりの数が存在すると思われます。

最近飛行機での移動が多いので、Amazonプライムのダウンロードサービスを利用して機内でBACK TO THE FUTUREシリーズを改めて一気観しました。やっぱり面白い。

「タイムトラベル」系SFの代表ですよね。スゲー好き。マーティもドクもカッコいい。

 

「タイムトラベル」映画の難しさ

タイムトラベルとかタイムリープ物の映画って、「鶏が先か卵が先か」的なタイムパラドクスが面白みではありますが、どうしても難しくなりがちです。

プリデスティネーションという映画は、つい難しくなってしまった最たる例だと思います。

監督のやってみたかった要素を、これでもかと言わんばかりに詰め込みまくって溢れかえっている感じ。もう映画の終盤は、エドモンド本田の百烈張り手で画面側まで追い込まれているかのような気持ちになります。

インターステラーなんかも4次元の概念が登場します。プリデスティネーションよりは理解しやすい気がしますが、見る人にとっては結構難解な部類かもしれません。(私も完璧に理解している訳でもないし、考察できる程の教養もないですが。)

タイムトラベル系のストーリーって世界線が二つ以上あるので、一つ目の世界でしっかり伏線張って、二つ目の世界で大どんでん返し、みたいなドッキリを仕掛け易いテーマです。

なので多分、映画監督が「あっと驚く映画を作るぞ!」という気合が入りがちになって、伏線だらけになっていき、難しくなるんだと思います。(伏線だらけが面白くない訳じゃないし、そういうの観たい時もしょっちゅうあります。)

タイムトラベルという「伏線仕込んでナンボ」なストーリーの特性上、起承転結の起の部分、つまり映画の冒頭が謎のシーンから始まる事が結構あります。

こうして一番初めのシーンで発生した問題提起は、大抵映画の一番最後で回収されます。そりゃそうです。監督は大どんでん返ししたいんです。だから、映画の冒頭で一番大きな伏線を仕込むのです。

という事はつまり、視聴する側は約2時間の間その映画を集中して観続け、その後発生する小さな伏線を漏らさず認識していなければ監督の思い描いた大どんでん返しを味わえないのです。

それって、ヘビー。そもそもそんな長い間、人間の集中力は続きませんから。

途中に出てくる重要な伏線を見逃していると、その回収時に「え?何の話?」とか「誰これ?」という状態に陥ってしまいます。

「待って待って、今のシーン巻き戻して」なんて映画館では言えません。

映画の冒頭で子供だった登場人物が大人になって伏線回収とかされたもんなら、同一人物の役であることさえ全然理解できなかったりします。それが外国人ならなおさら。

そうやってストーリーから一気に脱落していく。後はコーラとポップコーンを暗がりで食べるだけ。かなり辛い。

約2時間の間ストーリーに振り落とされずに居られれば、答え合わせしたくなってもう一回観たくなる気持ちになります。

しかし、もしストーリーを追えなければ、例えそれがどんなに素晴らしい映画であっても、時間を割いてもう一回観ようなんて思えません。

でも最後のシーンって、意味不明なのに最後の種明かしで監督が「ドヤ顔」していることだけは何となく分かるんですよね。それが余計、ただただつまらなかったという感情にさせる気がします。

SF映画が苦手な人(というか私の奥さん)は、こう言う現象に陥っているのではないかと私は考察しています。

 

BACK TO THE FUTUREがなぜファミリーにも受け入れらるのか

対してBACK TO THE FUTUREは、こうしてつい難しくなりがちなこの要素をファミリー映画にうまく落とし込んでいる点が素晴らしいと思います。

タイムトラベルを取り扱っているという点では同じなのに、BACK TO THE FUTUREは凄く分かりやすく、子供が観てもストーリーを理解できるように構築されています。

この分かりやすさの差は、主人公が時間移動する理由や目的が、映画と冒頭ではっきり語られているか否かであると思います。

BACK TO THE FUTUREなんて映画の冒頭どころか、タイトルで既に映画の最終目標が掲げられているのです。

BACK TO THE FUTUREの主人公は、必ず最後は自分の居た、正しい時代(未来)に帰ろうとするのです。

ですから、主人公の行動は全て「未来に帰るために必要な行為」という一貫性があり、それだけ認識できていれば、視聴者はストーリーから脱落する事はないのです。

つまり、BACK TO THE FUTUREは「BACK TO THE FUTURE」という英文の意味さえ分かっていれば、最後まで映画のストーリーを楽しめるのです。

また、主人公を支援するキャラクター、邪魔するキャラクターについて、映画の冒頭にしっかり説明があり、キャラクターの相関が簡単に理解できます。また、それぞれのキャラクターについて、過去、未来全て同じ俳優が演じているところも、キャラクターの関係性を分かりやすくしている要因だと思います。(シリーズ内では途中で降板してしまっている俳優さん、女優さんもいるのですが、一本の映画内では一貫しています。)

だから、タイムトラベルという複雑になりがちなテーマを、子供でも理解できるストーリーに落とし込めたんだと思います。

加えて、ストーリーには直接関わらないようなスタッフの遊び心的な伏線回収があったりするところが、公開から何十年も経った今も根強いファンが居続ける理由なんじゃないかと思います。

隠れミッキー探す面白さ、誰かに思わず秘密を話したくなるようなワクワク感。それに似ている感じ。それも魅力の一部だと思います。ファンサイト等が立ち上がるのも頷けます。

BACK TO THE FUTURE、改めていい映画だなー、と感心しました。観たことある方も無い方も今週末にBACK TO THE FUTUREシリーズ一気観、いかがですか?

 

最後に

上記に挙げた映画、Amazonプライムで全部観られます。Amazonプライムは数年前から利用していますが、本当に良いサービス。

でもAmazonプライム(というか映画系のサブスク)だと、一回以上観たことがある映画ばっかり観てしまいます。

多分、観たことがない映画は「本腰入れて観たいから今度観よう」という発想になって選ばれないのに対し、観たことがある映画は「あー、懐かしい!」っていう感覚でお手頃に観始めるせいだと思います。

折角あんなに沢山の映画が観られるんだから、たまには観たことない映画も選びたいと思います。

BACK TO THE FUTUREの細かい感想を語り出すと長くなるので、とりあえずこの辺で。

BACK TO THE FUTURE 3の登場人物に因んで、Saloon Old-Timerってバンドを組みたいです。このバンド名にピンときたらバンド一緒にやりましょう。

そしていつか息子と一緒に、キャラメルポップコーンを食べながらBACK TO THE FUTUREを観たいと思います。

 

(関連記事)

Snowing Japan Tourに寄せて

英語話せないのに英詞を書いてしまう病

【Apple Music / Spotify】”サブスクリプション時代リスナー”としての在り方を考える