cadenceギターのモリです。
前回ブログから私が保有するエフェクターを紹介しております。
第2回目は、Walrus Audioの“Voyager”という プリアンプ / オーバードライブ ペダルです。
二連続歪みペダルです。というか今後も歪みペダルが続きます。歪み沼は深い……。
歪みの深淵を覗く時、歪みの深淵もこちらを覗いているのだ……。
Walrus Audioとは?
Walrus Audioは、アメリカはオクラホマ州のノーマンで活動していたギターサークルから生まれたエフェクターブランドです。
本国の公式サイト(https://www.walrusaudio.com/)に掲載されているアーティストは、 Phil X
(Bon Jovi) 、John Cummings(Mogwai)、Yvette Young(Covet) など、このブランドもビッグアーティストだらけ。
ギターサークルから発足してるってところが、なんか良いですよね。オタク気質な人達が「ぼくがかんがえたさいきょうのエフェクター 」を作ってたら世界的アーティストに認められて、いつの間にか大ヒットしちゃった、みたいなアメリカンドリーム(?)を感じます。
実際「オタク気質」かどうかは窺い知れませんが、どうやらこの”Voyager”がWalrus Audioにおける最初の製品のようです。
最初の製品をヒットさせるなんて、開発に携わった方々、凄まじいセンスや技術力をお持ちなんだと思います。
代理販売店はumbrella companyだったのですが、2019年6月から日本ではPearlが代理販売店になっています(私が購入した直後でした。それから価格が少し上がったような気がします……ゲフン)。
Pearlってドラム製品以外にも取り扱いがあったんですね。無知でした。
なので、Pearlドメインではありますが、ちゃんとWalrus Audioの日本語公式サイトが存在しています。公式サイトはコチラ(https://pearl-music.co.jp/walrusaudio/)。
一応umbrella company時代のページも残っていますが、製品紹介ページは削除されてしまっているようです。umbrella companyのサイトはコチラ(https://umbrella-company.jp/walrus-audio.html)。
セイウチアイコンも可愛いですし、「Walrus」と聞くと、The Beatlesの名曲「I Am The Walrus」を思い起こさせる所も何となく好感度が高いです。
Walrus Audioもデザインが秀逸で、かなりアーティスティックな感じがします。人によってはちょっと厨二感が強すぎると感じるかもしれませんが、個人的には結構ツボです。ついジャケ買いしそうな見た目してます。
結構頻繁にいろいろな限定カラーが発表されるのも面白いです。
限定カラーは日本の販売代理店経由には入ってこないみたいなのですが、並行輸入品を扱っているサイトや個人輸入で入手できたりします。
(上記の花柄シリーズ欲しかったけど、通常色持ってたんだよなぁ。)
限定カラー、オシャレ!
あと凄い地味ですが、Walrus Audioのペダルはオンの時のライトが白くて明るいところが好きです。
それとエフェクターを入れていける袋が付くのも得点高いです。箱捨てる派の人でも保管しやすいです(私は箱取っておく派ですが)。
“Voyager” レビュー
それでは”Voyager”の特徴について記載していこうと思います。
まず見た目がカッコいいです。
若干褪せたミントグリーンに人工衛星のようなメカメカしい物体のグラフィック。
きっと、あなたの瞳の奥に潜む少年が蘇ることでしよう。
先程、中には厨二っぽいデザインのペダルもあると書きましたが、”Voyager”は万人ウケしそうな見た目してます。
ペダルのデザインって大事ですよね。「欲しい!」とか「使いたい!」と思う要素として、見た目ってすごく重要ですから。
人間も見た目9割とか言うし。それと同じで、見た目が好みだといい音に聞こえることって本当にあると思います。
さて、本題のサウンドですが、公式が「Preamp / Overdrive」と表現していますとおり、プリアンプ的な役割ができるペダルなので、派手に歪みません。
ノブをいっぱい回しても歪みがジャキジャキに暴れたりせず、最後まで綺麗めな印象で音作りができます。
“Voyager”はvol、gain、toneの3ノブで、非常にシンプルな操作感です。
このサイズのコンパクトエフェクターによくあるノブの構成をしていて、ノブのネーミングも特殊なものはありませんので、操作に迷うことがないです。
gainの動き方が少し特徴的で、9時ちょっと過ぎるくらいまでかなりクリアでスッキリした歪みなのですが、10時くらいから厚くて少し丸っこい音になります。
“Voyager”でgainを上げる場合、ピックアップに合わせてtoneも若干高めに調整した方が、はっきりと発音できるように感じました。
gainを回していくと音の芯から歪んでいって、原音っぽいサウンドはあんまり残らないタイプの歪み方をする印象です。
また、歪みは細かすぎず、粗すぎず、丁度いい塩梅の質感です。gainを上げていくとどちらかと言えば粗めの歪みになっていくので、最近の流行りというよりかは王道に近いサウンドキャラクターになっていると思います。
個人的な使い方としては、常時かけっぱなしのクリーントーンとして使いたいです。
バンドでどクリーンを使うと音抜けが良すぎて、周りと馴染まなかったり、ソロで音量が大きくなるように調整した歪みをオンにしたはずなのに外音は歪みの方が凹んで聞こえたりする現象を起こしがちです。つっちーさん、おざわさん、いつもすいません。
なので、「実際は少し歪んでるのだけれど外音はクリーンに聴こえる」みたいなセッティングを狙って”Voyager”を使うとよく馴染むんじゃないかと思っています。
gainを10時にしてギターとピックアップに合わせてtoneを設定後、volを原音と音量が無いように調整すればいい感じの音が作れます。最近割と甘い感じのサウンドが好みなので、toneは12時付近位で高すぎない位置が気持ち良いです。私は家でギターを弾いているとき、フジゲン Neo Classicシリーズのシンラインタイプのテレキャスター(リアピックアップがハム)を使っているのですが、ハムバッカーピックアップだとtoneは14時くらいまで上げています。
(丁度我々の「Sunny」という曲に”Voyager”で作った音の雰囲気が合うので、デモを取り直そうかと思ったりしています。)
その他、別の歪みペダルの前段においてゲインブースターとして利用しています。
廃盤モデルではありますが、同社のトランスペアレント系ペダル”Mayflower”をメインの歪みに据えて、”Voyager”をゲインブースターとして利用する方法が結構流行っていたようですが、その他の歪みペダルと組み合わせてもなかなか良い仕事をしてくれます。(今普通に揃える場合は、”Mayflower”を後継機種”Warhorn”に置き換えて再現できます。が、デザインは”Mayflower”の方がかっこよかった気がします。)
前述の通りですが、gainを低めに設定するとかなりクリアな音が得られるため、他の歪みペダルの後段に置いてクリーンブースターとしても利用できると思います。
サウンドの雰囲気が分かりやすい動画がありましたので、ご紹介します。
また、”Voyager”はケンタウルス系のペダルと比較されている記事をよく見かけます。
ギター・マガジン(リットーミュージック)2018年2月号で、ART-SCHOOL、Ropes、Crypt City、MONOEYESで活躍されている戸高 賢史さんが”Voyager”を試奏して「めちゃくちゃケンタ」と表現されたことが紹介されています。
※話がそれますが、AmazonのKindle Unlimitedでギター・マガジン読めます。楽器の教則本も読み放題に含まれているものが多いので、結構オススメです。
デジマートのケンタウルス系ペダル特集にも”Voyager”が掲載されていましたので、ご紹介致します。(デジマートマガジン:https://www.digimart.net/magazine/article/2016021001834.html)
上記デジマートの記事では田渕 ひさ子さんが試奏していらっしゃいますので、ケンタウルス系ペダルをお探しの方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
ケンタウルス系を狙って制作されたペダルって、製品の紹介文に「あの伝説的なペダルを再現」的な文言が含まれていることが多いですが、”Voyager”の紹介文には日米サイト共にこの文言が含まれていません。
ブランドとしては特段ケンタウルス系を狙ったわけではないっぽいですが、鳴りの特徴が似ていたということでしょうか。私は現時点で他にケンタウルス系のペダルを保有していないので、いずれどれか買って比較してみたいと思います。
最後に
というわけで、第2回目はWalrus Audioの”Voyager”でした。
お持ちの他のペダルに合わせてメインの歪み・ゲインブースター・クリーンブースターと役割を変えられる、万能エフェクターって感じですね。”Voyager”、できる子です。
結構、東京・神奈川近辺のエモ界隈でも使っていらっしゃる方を見かけるので、ご興味あれば是非試奏などしてみてはいかがでしょうか。
(関連記事)
【レビュー】JHS Pedals “Angry Charlie V3” BOSSともコラボしたマーシャルライクなディストーション